没後9年を過ぎた今年、「天国と地獄」「生きる」がTVドラマとして、さらに『椿三十郎』が劇場映画としてリメークされるなど、いってみれば「つい最近亡くなった現代の巨匠」から「古典的大映画作家」へと位置づけが昇華しつつあるように思われる黒澤明監督。
2003年に大半の作品がDVD化されたものの、いずれも高額商品とあって「前から大ファン」という人以外にはいまいち手が出しづらい面もありましたが、いよいよ11月と12月に分けて「普及版」DVDが一斉発売となります。
文庫本感覚……とまではいかなくても、従来との比較でいう限り飛躍的な手軽さで「世界の黒澤」の作品に触れれる。そういう時代が到来しつつあるのは、まずは喜ばしいことだと思います。
……とか偉そうに書いてますが、正直な話、ぼく自身も未見の作品はいろいろあるんで、折々買い揃えていこうか、などと思ってます。
ともあれそういうわけで、この記事ではまず11月9日に発売される「時代劇」系の作品9点をご紹介します。
個人的に「これは実際観たけどオススメ」な作品には☆印をつけてあります。ホントは全部つけたいのですけどネ。
※以下、作品表題のリンクはamazon.co.jpの当該商品ページに張ってあります。
1945年度作品 虎の尾を踏む男達<普及版>
歌舞伎の「勧進帳」を元に描く黒澤明唯一のミュージカルにして初の時代劇。
☆1954年度作品 七人の侍(2枚組)<普及版>
ご存知、何度観ても全編これ圧巻な代表作中の代表作。
☆1957年度作品 どん底<普及版>
帝政ロシアを舞台にしたゴーリキーの名作戯曲を、江戸時代の棟割り長屋に暮らす貧しい庶民たちの話に置き換えた骨太な人間ドラマ。
1957年度作品 蜘蛛巣城<普及版>
シェイクスピアの「マクベス」を日本の戦国時代に翻案。
☆1958年度作品 隠し砦の三悪人<普及版>
敗軍の将が、行きずりの百姓コンビをお供に、おてんばな姫君と財宝を守って敵中突破……という豪快アクション時代劇。ジョージ・ルーカス「スター・ウォーズ」にアイデアを与えたことで知られる。
樋口真嗣監督、松本潤・長澤まさみ・阿部寛出演で再映画化、ただいまエキストラ募集中です。
☆1961年度作品 用心棒<普及版>
やくざの2大勢力が縄張り争いに明け暮れる小さな宿場町に流れ着いた凄腕の浪人「三十郎」の活躍を描く痛快娯楽時代劇。マカロニウェスタン「荒野の用心棒」の元ネタとなった。
1962年度作品 椿三十郎<普及版>
大ヒットした『用心棒』の続編。腹黒い重臣たちの不正を暴こうとする若侍を手助ける三十郎。クライマックスの決闘シーンの衝撃が語り草。
☆1965年度作品 赤ひげ <普及版>
山本周五郎の原作を大胆に脚色。「小石川養生所」の名医「赤ひげ」を軸に、江戸時代の最下層の庶民たちの喜怒哀楽を描く群像劇。
1980年度作品 影武者<普及版>
武田信玄の影武者となった男の運命を軸に描く超大作戦国時代劇。1980年度カンヌ国際映画祭グランプリ。